2020年12月11日金曜日

下顎の求心性

正中にある前歯二本を上下で咬合させることを下顎の求心性と言います。下顎を正中に安定させることです。 下顎を正中に安定させることで、姿勢を安定させ、精神的にも安定させるのです。このことを歯科では、 アンテリアガイダンス(前歯誘導)と呼んでいます。下顎を前に動かし上下二本の前歯を合わせること、そして そこから、奥歯で咬み合わせるまで、下の顎が途中で他の歯に当たらないで、すっと前後の運動ができること。 このことを前歯誘導(アンテリアガイダンス)、下顎の求心性と言います。ですから、前歯の一番大切な働きは 下顎を正中に安定させること、すなわち姿勢を正す、身体のバランスをとると言うことなのです。歯並びを 見た目にきれいにしても、この下顎の求心性が機能しなければ、姿勢が崩れます。歯の咬み合わせと機能は 全身の機能と結ばれています。

2020年8月7日金曜日

歯の話

人間に最初に生えてくる歯はどこに生えて来ると思いますか? ご存知の方もいらっしゃると思いますが、最初に生えて来る場所は、 下の顎の正中、つまり中心に左右一本ずつ、2本生えて来ます。 そして、しばらく経って、上の顎の中心に2本生えて来ます。 その上下の2本の歯で咬み始めた時に、赤ちゃんは、ハイハイから、 2本足で立ち始めます。これが、歯の咬み合わせのスタ-トです。 2本の歯が生えた時に、何故赤ちゃんが立ち始めるのか?何故だと、思いますか? 2本の歯が咬んだ時、それまでフラフラしていた下の顎の位置が中心で止まるからなのです。つまり、下顎が中心で安定するため、 頭の重心を中心に合わせる事ができ、身体のバランスが取れるようになるからなのです。 この事実を知った時、自然の深遠さに感動しました。 歯の萌出と身体の成長はリンクしているのです。 歯が生えて来て、咬み合わせがしっかりして来ると同時に、身体は成長して来るのです。