2023年12月9日土曜日

左上の2番目の前歯が2~3日前から痛み始めて、自宅近くの歯科で抗生剤と鎮痛剤をもらって飲んだが効かない。今も痛いのですぐに治療をして欲しい。

という主訴で来られました。痛い前歯は神経を取って薬を詰めた治療済みの歯です。レントゲンの写真では根っこの先が少し黒くなっています。 そこに膿が溜まって痛みが起こっていると近くの歯科で、言われているので、その治療をして欲しい、と言うことでした。ほんとに膿が溜まっているのなら、外側の歯茎も腫れているはずですが、歯茎は腫れていないし、赤くもなっていませんでした。それで、この方の上下の歯の噛み合わせを診て見ると、右下の7番目の奥歯がクロスバイト、すれ違い咬合、上の歯が外側に傾き、下の歯が内側に傾いてすれ違いの咬み合わせになっていました。その為に顎が右に行くことができないで、この人はいつも左で咬む咬み方でした。その時に上の2番目の前歯の内側に下の前歯が常に当たっていたので、当たるたびにその歯に力がかかり、歯根膜炎を起こして、痛みが出た、と言う事で、そこが当たらない様に調整をして、様子を見て頂くことにしました。恐らく、これで、痛みは無くなったと思います。ちょっとした当たりでも、それが長期にわたって続けば歯根膜炎を起こし、痛くなります。偏った咬み方は、歯に過重な負担を掛け、歯を破壊して行きます。両方で均等に噛んでこそ、歯は長持ちをします。この人の片咬みの原因は右下の7番目の歯のすれ違いが原因です。この歯の治療は今の所、残念ながら抜歯しかありません。しかし、抜歯は充分に注意をしてしないと、抜歯をした後に身体へかなりの影響が出ますから、簡単にはいきません。抜歯をする前に、この人はこの右の奥歯のすれ違い咬合のため、顎が右に動く状態に(右偏位に)なっていますから、抜歯をいきなりすると、顎が急に右に動いて身体がその急な変化についていけず、全身的な症状が出ます。従って、抜歯をする前に、抜歯をしても、顎が右へ出来るだけ行かない様に右偏位になっている原因をできるだけなくす歯の調整をしてから、行う事が大事です。その調整を行って抜歯をすれば、心配はありません。やるべき準備と整えてから行えば大丈夫です。

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